ピッチ(ケイデンス)
公開日: 2025/06/04
ピッチ(ケイデンス)
はじめに
「脚は回っているのにスピードが出ない」
「膝や腰に負担がかかる気がする」
その原因は“ピッチ(ケイデンス)”にあるかもしれません。ピッチとは**1分間の歩数(steps per minute)**であり、ランニング効率とフォーム安定性を大きく左右する要素です。この記事では、ピッチの基礎知識と理想値、改善方法までをわかりやすく解説します。
基本情報・概要
ピッチ(ケイデンス)とは、1分間に何歩踏んでいるかを示す数値で、通常「spm(steps per minute)」という単位で表されます。ランニングのスピードは以下の式で成り立ちます。
スピード(m/分) = ストライド(m) × ピッチ(spm)
つまり、ピッチが速ければ、同じストライドでもスピードがアップします。逆にピッチが遅いと、ストライドを無理に伸ばすために効率が下がることも。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
ピッチ(spm) | 1分あたりの歩数 | 170〜180spmが一般的理想 |
ストライド | 1歩あたりの距離 | 身長や柔軟性・フォームに左右される |
ランニング効率 | ピッチ × ストライド = スピード | バランスを取ることが重要 |
深掘り解説
なぜピッチが重要なのか?
- ピッチが高いほど着地時間が短くなり、衝撃が分散される
- 重心の真下で着地しやすくなり、ブレーキが減る
- オーバーストライド(足が前に出すぎる)を防げる
- 結果として、フォームが安定し、ケガのリスクが減る
理想のピッチは?
- 多くのランナーにとって170〜180spmが理想的
- エリートランナーや上級者は190〜200spm超も
- Garmin、COROS、Apple WatchなどのGPSウォッチで測定可能
ピッチが遅いとどうなる?
- 着地が前方にズレて、ブレーキが強くなる
- 膝や腰などへの衝撃が大きくなる
- 脚を大きく前に出そうとしすぎてフォームが崩れる
応用・発展的な使い方
- メトロノームアプリ(例:180bpm)で音に合わせて走る
- ピッチに注目したドリル:
- ハイニー(もも上げ)、スキップ、片脚ジャンプなど
- ウォッチのアラート設定で“ピッチ下がりすぎ”を通知
- 動画撮影でフォーム確認 → 足音/上下動の分析とセットで改善
よくある誤解と注意点
- 「ピッチは多いほどいい」→ ×:フォームが崩れては意味がない
- 「ピッチだけ意識すれば速くなる」→ ×:ストライドとのバランスが必要
- 「身長が低いと不利/有利」→ △:個人差はあるが、改善可能
まとめ
ピッチ(ケイデンス)は、“ランニングのテンポと効率”を決める核となる要素です。
最初は意識するのが難しいですが、ウォッチやドリルを活用することで徐々に身体に染み込んでいきます。
**理想は自然な170〜180spmのテンポで、効率よく・美しく・ケガなく走ること。**あなたも、自分の“走りのリズム”を見直してみませんか?