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ランナー膝(腸脛靭帯炎)

公開日: 2025/06/04

ランナー膝(腸脛靭帯炎)

はじめに

「走り続けていると膝の外側がズキズキ痛む」
「坂道や長距離で膝がつらい」
それは“ランナー膝”こと**腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)**の可能性があります。特に長距離ランナーや初心者がなりやすく、放置すると慢性化しやすい障害です。本記事では、ランナー膝の原因・症状・ケア方法・再発予防について解説します。

基本情報・概要

腸脛靭帯炎とは、太ももの外側にある腸脛靭帯が膝の骨(大腿骨外顆)と繰り返しこすれることで炎症を起こす障害です。ランニング時の“膝の曲げ伸ばし”が多いことで発症しやすく、膝外側の痛み・圧痛が主な症状です。

比較・分類・特徴の表形式まとめ

項目内容
主な症状膝の外側の鋭い痛み/階段・坂道で悪化/長距離で出やすい
原因オーバーユース、フォーム不良、股関節〜膝外側の柔軟性不足
リスクが高い人長距離ランナー、O脚傾向、股関節が硬い人、フォームが崩れている人
主な対策ストレッチ、フォーム改善、トレーニング負荷調整、テーピング

深掘り解説

なぜ腸脛靭帯炎が起こるのか?

  • 腸脛靭帯は、大腿筋膜張筋から膝下まで伸びる長い靭帯
  • ランニング動作で膝の曲げ伸ばしが繰り返されると、膝外側の骨と擦れて炎症
  • 特に**股関節の硬さや、筋バランスの崩れ(中臀筋・大臀筋の弱さ)**が関与

典型的な症状の流れ

  • ランニング中〜後半に膝外側が痛む
  • 放置すると、階段昇降や座った後の立ち上がりでも痛み
  • 膝の外側を押すと「ピンポイントで響く」圧痛あり

応用・発展的な使い方

セルフケア・回復フェーズの対策

  • アイシング:炎症期には膝外側を10〜15分冷却(1日数回)
  • 腸脛靭帯ストレッチ:立位・仰向けで太もも外側をじっくり伸ばす
  • フォームローラー:大腿筋膜張筋〜外腿をゆっくりほぐす(痛すぎ注意)
  • テーピング(キネシオ):膝外側のサポート用にU字で軽く貼る

フォームと筋力改善で再発予防

  • 骨盤・股関節の安定化(中臀筋トレ)
    • クラムシェル/ヒップアブダクション/サイドウォークなど
  • オーバーストライドの見直し
    • 歩幅を少し狭くし、ピッチ(回転数)を意識
  • シューズのクッション性と相性確認
  • 坂道・カーブ走行を一時的に避ける

よくある誤解と注意点

  • 「膝の痛み=膝そのものが悪い」→ ×:多くは股関節や靭帯の機能低下が原因
  • 「休めば自然に治る」→ △:フォームや筋力を改善しないと再発しやすい
  • 「アイシングと湿布だけで大丈夫」→ ×:根本的には柔軟性と動作改善が必須

まとめ

ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、初心者から上級者まで幅広く起こるランニング障害のひとつです。適切なケアと体の使い方の見直しで、多くの場合は改善可能です。痛みを無視せず、“走れる体”をつくる意識で根本から整えていくことが、ランニングを楽しく続けるカギとなります。