RHR(安静時心拍数)
公開日: 2025/06/04
RHR(安静時心拍数)
はじめに
「最近、トレーニングがうまくいかない気がする」
「疲れていないはずなのに、走りが重い…」
そんなときは“RHR(安静時心拍数)”に注目してみましょう。RHRは、体調・回復・トレーニング管理のバロメーターです。心拍計やスマートウォッチがあれば、手軽に把握できる重要なコンディション指標です。
基本情報・概要
RHR(Resting Heart Rate)とは、安静時の心拍数(bpm)のことで、主に朝起きた直後や寝起きの状態で計測されます。RHRは個人差がありますが、トレーニング状態・回復度・ストレス・睡眠の質などを反映する生理的指標として有効です。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
RHR(安静時心拍数) | 意味 | 一般的な目安 |
---|---|---|
40〜49 bpm | アスリートレベル、心肺機能が非常に高い | トップランナー・持久系競技者に多い |
50〜60 bpm | 適度に鍛えられた一般ランナー | 良好な健康状態 |
61〜70 bpm | 一般的な健康成人 | 体調・疲労で変動あり |
70 bpm以上 | 疲労・ストレス・過トレーニング・睡眠不足の可能性 | 要観察/回復が必要 |
深掘り解説
なぜRHRが重要なのか?
- 心肺機能のベースラインを示す
- 日々の変化で、体調や疲労の蓄積を可視化できる
- 睡眠不足やストレスでRHRが急上昇することも
- トレーニング強度を決める際のHRR(心拍予備域)計算にも必要不可欠
RHRの正しい測定方法
- 起床直後、ベッドの中で静かに横たわったまま測定
- 朝のルーチン前(トイレや歯磨きの前)に計測
- 5〜10秒間の心拍数をカウント → ×6または×12
- 可能であればスマートウォッチ・心拍計を使用(Garmin, Polar, Apple Watchなど)
- 1週間の平均値を記録して管理
応用・発展的な使い方
- RHRを日々記録して“自己ベースライン”を作成
- 2〜3日連続でRHRが+5〜10上昇 → 回復重視・軽めの運動
- RHRが平均以下の日は“ハードトレーニング日”の好機
- HRV(心拍変動)と組み合わせてさらに精度の高い疲労管理へ
よくある誤解と注意点
- 「RHRは低ければ低いほどいい」→ △:体質・スポーツ歴によって異なる
- 「毎日同じになるはず」→ ×:睡眠・気温・ストレスなどで日々変動
- 「夜でも測れる」→ △:朝の測定が一貫性・信頼性が高い
まとめ
RHR(安静時心拍数)は、“身体の内部の声”を静かに伝えてくれる信号です。
高度な計測機器がなくても、毎朝1分の習慣で、疲労・回復・体調の変化を察知できます。
トレーニングを積むほど「どれだけ走るか」だけでなく、「どう休むか」が大切になります。まずはRHRを“日々の体調モニター”として取り入れてみましょう。