マラソン 補給戦略
公開日: 2025/06/04
マラソン 補給戦略
はじめに
42.195kmという長丁場のマラソンでは、エネルギー切れや脱水、ミネラル不足がパフォーマンスを大きく左右します。特に「30kmの壁」を乗り越えるには、事前の練習だけでなく、レース中の補給戦略が鍵になります。この記事では、タイムを狙う人から完走目的の初心者まで使える、マラソンの補給戦略を解説します。
基本情報・概要
マラソンの補給とは、レース中に必要なエネルギー(糖質)、水分、電解質(ナトリウム・カリウムなど)を効率よく体内に取り入れることを指します。人間の体は、筋肉内に蓄えられたグリコーゲンだけでは42kmを走り切るには不十分なため、途中で適切に補給することが重要です。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
補給要素 | 目的 | 主な補給源 |
---|---|---|
エネルギー(糖質) | グリコーゲン消耗を補う | エネルギージェル、バナナ、スポドリなど |
水分 | 脱水と体温上昇の抑制 | 水、スポーツドリンク |
電解質(塩分) | 筋けいれん・低ナトリウム血症の予防 | 塩タブレット、スポドリ、塩飴など |
カフェイン | 集中力維持、脳疲労軽減、後半の粘り | カフェイン入りジェル、エナジードリンク等 |
深掘り解説
エネルギー補給の基本戦略
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目安摂取量:30〜60gの糖質/1時間(体重やスピードで調整)
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摂取タイミング例(フルマラソン):
- スタート前:バナナ or エネルギージェル1本(空腹回避)
- 10km/20km/30km:ジェル1本+水 or スポドリ
- 35km以降:カフェイン入りジェルなどで“脳疲労”に対処
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糖質の種類:
- マルトデキストリン:胃にやさしく即吸収
- 果糖:持続力があり、ブドウ糖と併用すると吸収効率◎
水分・ミネラル補給の基本戦略
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目安摂取量:100〜200ml/20〜30分ごと(気温により調整)
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脱水リスク対策:
- 喉が渇く前にこまめに摂取
- 1回に大量より、少量頻回が基本
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ナトリウム(塩分)補給:
- 汗でナトリウムが失われると、足のけいれんや脱力感の原因に
- スポドリだけでなく、塩タブレット or 塩飴を携帯するのも有効
応用・発展的な使い方
- 補給食を実際の練習で試す(胃腸慣れ)
- エイドステーションの場所と内容を事前確認して計画に組み込む
- レース中は「水+ジェル」「スポドリ+塩」のように組み合わせで相互補完
- カフェイン入りジェルは後半(30km以降)に使うと集中力が持続しやすい
よくある誤解と注意点
- 「一気にたくさん摂ればいい」→ ×:吸収には時間がかかる/胃腸に負担
- 「水だけ飲めばOK」→ ×:電解質が不足すると逆に体調悪化(低ナトリウム血症)
- 「ジェルだけで十分」→ ×:水分とセットで摂取しないと消化が遅れる
まとめ
マラソンは“走るエネルギー管理ゲーム”。
補給の成功が、後半の粘りと結果を大きく左右します。
**「距離でなく時間ベースで摂取」「糖+水+電解質の3点セット」**を意識し、事前に練習で試しておくことで、本番の安心感が段違いになります。あなたに合った補給戦略を見つけて、30km以降も力強く走りきりましょう。