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仮想化技術

公開日: 2025/06/03

仮想化技術とは?ITインフラの柔軟性と効率性を支える基盤技術

はじめに

クラウド、オンプレ、ハイブリッド環境の拡大とともに、IT基盤の構築・運用において欠かせないのが「仮想化技術」です。
物理的なリソースの制約を超え、柔軟で効率的な運用を可能にするこの技術は、サーバーだけでなくネットワークやストレージにも広がっています。
この記事では、仮想化技術の種類、仕組み、メリット・注意点をわかりやすく解説します。

基本情報・概要

仮想化技術とは、物理的なハードウェアを論理的に分割・抽象化し、複数の独立した環境として利用可能にする技術です。

  • 主な対象:サーバー、ストレージ、ネットワーク、デスクトップ
  • 実現方式:ハイパーバイザー型、OSレベル仮想化、コンテナ型など

仮想化によって、1つの物理リソース上で複数の仮想環境(VMなど)を稼働させることが可能になります。

比較・分類・特徴の表形式まとめ

分類説明代表例
サーバー仮想化物理サーバー上に複数の仮想マシンを作成VMware, KVM, Hyper-V
ストレージ仮想化複数の物理ディスクを統合・分割vSAN, LVM
ネットワーク仮想化VLANやSDNなどによる論理的なネット構成Open vSwitch, Cisco ACI
デスクトップ仮想化クライアント環境をサーバー上で実行Citrix, Windows Virtual Desktop
アプリ仮想化アプリ単位で独立した実行環境を提供Docker, LXC

深掘り解説

ハイパーバイザーの種類

  • タイプ1(ベアメタル):物理ハード上で直接動作し、VMの管理を行う
    • 例:VMware ESXi、Microsoft Hyper-V、Xen
  • タイプ2(ホスト型):ホストOSの上にインストールされる
    • 例:VirtualBox、VMware Workstation

コンテナとの違い

仮想マシン(VM)はOS単位での仮想化に対し、コンテナはアプリケーション単位での軽量な仮想化を実現します。
どちらも用途に応じて使い分けが必要です。

応用・発展的な使い方

  • クラウド基盤構築:IaaSやPaaSの中核技術として活用(例:OpenStack)
  • リソース集約によるコスト削減:未使用CPUやメモリの有効活用
  • 災害対策(DR):仮想マシンのスナップショット・レプリケーションによる迅速な復旧
  • 開発・テスト環境の即時構築:テンプレート化されたVMやコンテナで迅速に環境展開

よくある誤解と注意点

  • 仮想化すれば万能ではない → 過剰な集約で性能低下のリスクあり
  • VMのスプロール(増殖)に注意:リソース管理と命名規則が重要
  • ネットワークやストレージ性能もボトルネックになりうる
  • セキュリティ対策は物理環境とは異なる観点での設計が必要

まとめ

仮想化技術は、現代のITインフラ運用を根本から支える基盤技術です。
サーバー仮想化を中心に、ストレージやネットワークなども含めた統合管理が求められる時代になっています。
正しい設計・運用と、目的に合った技術選定によって、柔軟性・効率性・可用性を最大限に引き出しましょう。