チケット駆動開発：タスク管理を起点にしたチーム開発の実践術

はじめに

「何をやっていたか思い出せない」「属人化していて引き継ぎが困難」
そんな悩みを解決するために注目されているのが「チケット駆動開発（Ticket Driven Development）」です。
本記事では、チケット駆動開発の考え方・具体的なやり方・導入のポイントを解説します。

基本情報・概要

チケット駆動開発とは、全ての開発作業を「チケット（Issue）」を起点にして進める開発スタイルです。
チケットが存在しない作業は原則として行わず、「タスク＝チケット」として透明化・記録・共有します。

• タスクの見える化
• 作業ログの一元管理
• 担当・期限・状況の明確化
• 引き継ぎ・レビュー・トラブル対応がしやすい

比較・分類・特徴の表形式まとめ

深掘り解説

• 基本的な運用フロー：

  1. 要件・バグなどをチケットとして登録
  2. チケットに「担当」「期限」「カテゴリ」「優先度」などを設定
  3. チケットに基づいて作業を開始（着手中に変更があってもコメントで履歴）
  4. コミットにはチケット番号を必ず含める
  5. 完了後、レビュー・クローズ

  例）GitHubのコミットメッセージ：

    feat: ログイン画面のUI調整 #123
  

• チケットに含めるべき情報：

  • タイトル（短く明確に）
  • 内容（背景、目的、実装方針）
  • 受け入れ条件（動作確認ポイントなど）
  • 添付ファイルやスクリーンショット
  • 関連リンク・参考資料（Figma、仕様書など）

• チケットの種類分類例：

  • バグ（Bug）
  • 機能追加（Feature）
  • 改善（Improvement）
  • 技術調査（Spike）
  • リファクタ（Refactor）

応用・発展的な使い方

• PRテンプレートでチケット番号の入力を義務化
• GitHub Actionsなどでチケット進捗を自動更新
• スプリント単位でチケットを消化してベロシティを管理
• エンジニア以外も参加（QA, PM, デザイナー）して全体共有ツールにする

チケットが「コミュニケーションと履歴の中心」になるよう意識すると、全体の開発効率が向上します。

よくある誤解と注意点

• チケット駆動＝チケットを書く作業が増えるだけ、と思われがちだが、むしろ記憶と口頭の負担を減らせる
• チケットだけ作って放置しない：定期的な見直しと更新が必要
• チケットが粗すぎる／細かすぎると運用しづらい：1〜3日程度で完了する粒度が目安

まとめ

チケット駆動開発は、チームの知識を「見える化」し、作業を記録・連携しながら進める開発スタイルです。
シンプルな運用で属人性を排除し、プロジェクト全体の透明性と予測性を高める効果があります。
まずはバグや機能開発のタスクからチケットを起点に進めることで、徐々に文化として定着させていきましょう。