スクラム開発
公開日: 2025/06/03
スクラム開発:チームで価値を素早く届けるアジャイル手法の王道
はじめに
「変化に強い」「顧客と一緒に作る」「早くリリースする」――
これらを実現するために広く使われているのが「スクラム開発」です。アジャイル開発のフレームワークの1つであり、特にソフトウェア開発の現場で多く採用されています。本記事では、スクラムの基本から実践の流れ、注意点までを解説します。
基本情報・概要
スクラムは、小さなイテレーション(スプリント)単位で開発を進めるフレームワークです。以下の3つの役割、5つのイベント、3つの成果物が定義されています:
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3つの役割:
- プロダクトオーナー(PO):プロダクトの価値最大化に責任
- スクラムマスター(SM):スクラムの促進者
- 開発チーム(Dev Team):実装を行うクロスファンクショナルチーム
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5つのイベント:
- スプリント(1〜4週間)
- スプリントプランニング
- デイリースクラム(毎日15分)
- スプリントレビュー
- スプリントレトロスペクティブ(ふりかえり)
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3つの成果物:
- プロダクトバックログ
- スプリントバックログ
- インクリメント(動作する成果物)
比較・分類・特徴の表形式まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
開発スタイル | イテレーション型(1スプリントごとに改善) |
チーム構成 | PO、SM、開発チーム(最大10人程度が目安) |
評価軸 | 完成した「動作するプロダクト」の価値 |
会議の頻度 | 毎日(デイリースクラム)、毎スプリントごとに3回 |
ドキュメント | 最小限、会話と成果で進める |
深掘り解説
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スプリントの流れ:
- スプリントプランニング:POが優先順位を示し、チームがタスクを決定
- デイリースクラム:昨日やったこと、今日やること、障害を共有
- 開発&確認:定義された「完了の定義(DoD)」を満たすよう実装
- スプリントレビュー:ステークホルダーに成果物をデモ
- レトロスペクティブ:振り返りとプロセス改善
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スクラムボード例(TrelloやJira、GitHub Projectsなど):
- Backlog → Todo → In Progress → Review → Done
タスクの流れを可視化することで、チーム全体が状況を共有できます。
応用・発展的な使い方
- ユーザーストーリーマッピング:バックログを視覚的に並べて全体像を把握
- ベロシティ管理:チームのスプリントごとの完了ポイントを記録し、見積精度を向上
- スクラム+カンバンのハイブリッド:WIP制限を加えて効率性を高める
- Remoteスクラム:Slack + Miro + Zoom などを組み合わせて非対面でも実践可能
よくある誤解と注意点
- スクラムは「無計画で自由」ではない:しっかりとした計画とふりかえりのサイクルが重要
- POがいないと意思決定が遅れる:POの役割が曖昧だとバックログが形骸化する
- チームの自律性を尊重する一方で、外部の強制指示は避けるべき
まとめ
スクラムは、顧客に価値あるものを早く届けるための強力なフレームワークです。ルール自体はシンプルですが、実践の中でチームの成熟とともに効果を発揮します。まずは1スプリントを回し