Dockerによる開発環境構築
公開日: 2025/06/03
Dockerによる開発環境構築:どこでも動く再現性の高い開発環境を手に入れよう
はじめに
「環境構築で1日終わった」「メンバーによって動いたり動かなかったりする」
― そんな開発あるあるを解決してくれるのが Docker です。
本記事では、Dockerを用いた再現性の高い開発環境の構築方法と、そのメリット・活用パターンを紹介します。
基本情報・概要
Dockerはコンテナ型仮想化技術で、以下の特徴を持ちます:
- ホストOSと隔離された環境を提供
- 軽量・高速な起動(仮想マシンより効率的)
- 「どこでも同じ環境」で動作する再現性
とDockerfile
で環境定義が可能docker-compose.yml
開発環境・テスト環境・CI/CDパイプライン・本番サーバーなど幅広く活用されています。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
実行単位 | コンテナ(軽量なプロセス) |
環境構築の形式 | Dockerfile, docker-compose.yml |
ホスト依存性 | ほぼゼロ(どの環境でも同じ動作) |
開発用途 | DB・Webサーバー・APIサーバーなどを統一管理 |
他との違い | 仮想マシンよりも起動が速く、メモリ消費も少ない |
深掘り解説
Node.jsアプリケーションの簡単なDocker化を例に説明します。
-
:Dockerfile
FROM node:18 WORKDIR /app COPY package*.json ./ RUN npm install COPY . . CMD ["npm", "run", "dev"]
-
(+MongoDBなどの他サービスと連携):docker-compose.yml
version: "3" services: app: build: . ports: - "3000:3000" volumes: - .:/app environment: - NODE_ENV=development mongo: image: mongo ports: - "27017:27017" volumes: - mongo-data:/data/db volumes: mongo-data:
-
起動:
docker-compose up --build
これだけで「アプリ+DB」の一体化された環境を数分で立ち上げられます。
応用・発展的な使い方
- Laravel + MySQL + Redisの複合環境
- React + Node.js + PostgreSQLのモダン構成
- Seleniumを含めたE2Eテスト用ブラウザ環境
- CI/CDパイプライン内の一時環境として利用
を使ったVS Codeとの連携(Remote Containers)devcontainer.json
コンテナ間ネットワークや
.env
による設定切替で、ローカル・本番を簡単に切り替えることも可能です。
よくある誤解と注意点
- Dockerは「仮想マシン」ではない:OS全体を仮想化せず、プロセス単位で軽量に動作
- MacではファイルI/Oが遅くなることがある:
オプションやMutagenで改善可能cached
でデータが消える場合がある:永続化にはdocker-compose down
設定が必須volumes
まとめ
Dockerを使えば、開発環境の「再現性」「構築スピード」「チーム間の統一性」が飛躍的に向上します。まずは小規模なプロジェクトで
Dockerfile
や docker-compose.yml
を試して、実際に動く感動を味わってみましょう。慣れてくれば、複雑なマイクロサービス構成も自在に扱えるようになります。