asyncとは？──Promiseベースの非同期処理をもっと直感的に書く構文

はじめに

JavaScript の非同期処理は、

Promise

によって構造化されました。
しかし

.then()

や

.catch()

が重なっていくと、やはり見通しが悪くなることがあります。
その問題を解決し、同期処理のように書ける非同期構文が

async/await

。
本記事では、その中でも中心となる async
の意味・使い方・Promiseとの関係・実用例までを解説します。

基本情報・概要

async

は、関数を非同期関数として定義するためのキーワードです。
非同期関数は必ず

Promise

を返し、その中で

await

を使うことで、Promiseの結果をまるで同期処理のように待機して扱えます。

主な特徴：

自動的に Promise を返す
```
await
```
によって非同期処理の完了を待つ
```
try/catch
```
で明快なエラーハンドリングが可能
非同期フローを直列・並列で柔軟に構成可能

async

は、「非同期を、読みやすく、安全に記述するための約束」です。

比較・分類・特徴の表形式まとめ（任意）

構文／キーワード	役割・特徴
async	関数を非同期関数にする（戻り値はPromise）
await	Promiseの完了を待つ（非同期関数の中でのみ使用可）
try/catch	非同期エラーも同期的に扱える
return	任意の値を Promise.resolve(value) として返す

async/await

は Promiseベースでありながら、同期風に書ける最強の構文です。

深掘り解説

✅ 基本的な使い方

async function fetchUserData() {
  const res = await fetch('/api/user');
  const data = await res.json();
  return data;
}

fetchUserData()
  .then(user => console.log(user))
  .catch(err => console.error(err));

```
fetchUserData()
```
は Promise を返す
```
await
```
によって、
```
fetch()
```
や
```
res.json()
```
の完了を待つ
エラーが起きた場合は
```
.catch()
```
または
```
try/catch
```
で処理

✅ try/catch によるエラーハンドリング

async function loadData() {
  try {
    const response = await fetch('/api/data');
    const data = await response.json();
    console.log(data);
  } catch (error) {
    console.error("読み込みエラー:", error);
  }
}

loadData();

非同期関数内のエラーも
```
try/catch
```
で扱える
複雑な
```
.catch()
```
チェーンよりシンプルで可読性が高い

応用・発展的な使い方

複数非同期の並列実行（

Promise.all()

と組み合わせ）

const [user, posts] = await Promise.all([
  fetchUser(),
  fetchPosts()
]);

非同期イテレーション（for await...of）

for await (const item of asyncGenerator()) {
  console.log(item);
}

関数式・アロー関数でも使える

const run = async () => {
  const data = await getData();
};

async

は**構文的糖衣（syntactic sugar）**であり、本質はすべて Promise ベースです。

よくある誤解と注意点（任意）

async関数は常にPromiseを返す：
```
return 42
```
は
```
Promise.resolve(42)
```
になる
await は async関数内でしか使えない：グローバルなどでは SyntaxError
await の使いすぎで並列性が落ちることも：独立処理は
```
Promise.all()
```
に分離
例外の伝播に注意：非同期関数内で明示的に
```
throw
```
したエラーも
```
Promise.reject()
```
となる

async/await

は便利な反面、設計の意図と構造の明確化が必要な構文です。

まとめ

async

は、Promiseベースの非同期処理を直感的に、かつ読みやすく記述するための構文です。
非同期の本質を保ちながら、同期処理のように記述できることで、可読性と保守性が大幅に向上します。
async/await は今やモダンJavaScript開発の標準。Promiseの理解とセットで習得することで、非同期設計の強力な武器となるでしょう。