await
公開日: 2025/06/02
awaitとは?──Promiseを“同期風”に扱う魔法の構文
はじめに
JavaScriptの非同期処理は、もはや開発のあらゆる場面で登場します。
そんな中、非同期処理を“まるで同期処理のように”扱える構文が
です。await
この記事では、
await
の基本概念、動作原理、使い方、注意点、そして応用テクニックまでを解説します。
基本情報・概要
await
は、Promise の完了を“待ってから”次の処理へ進む構文です。async
関数内でのみ使うことができ、非同期処理の“順序”をコード上で自然に表現できます。
主な目的:
- 非同期処理の結果を直感的に扱う
チェーンを使わずに処理を記述.then()
による一貫したエラーハンドリングを可能にするtry/catch
await
は「非同期を“待って書く”ための構文的な待機命令」です。
比較・分類・特徴の表形式まとめ(任意)
書き方 | 処理の流れ | 可読性 |
---|---|---|
| 関数チェーンで後続処理を記述 | ネストが浅くても流れが分かれやすい |
| 処理の順序を“上から下”で書ける | 高い(try/catchとの相性◎) |
await
の導入で、“順序通りに書きたい”非同期処理がぐっと書きやすくなります。
深掘り解説
✅ 基本的な使い方
async function fetchUser() { const res = await fetch('/api/user'); const user = await res.json(); return user; }
もfetch()
も Promise を返すres.json()
はその Promise が解決されるのを待ってから次の行へ進むawait
✅ try/catchとの併用でエラーハンドリングも自然
async function loadData() { try { const data = await fetchData(); console.log(data); } catch (error) { console.error("エラーが発生しました", error); } }
- 非同期エラーも 同期的な構文で処理できる点が
の大きな魅力await
✅ Promise.all()と併用する場合の注意
const [user, posts] = await Promise.all([ fetchUser(), fetchPosts() ]);
- 複数の非同期処理が同時に動く(awaitの逐次実行ではなく並列)
// ❌ 遅くなるパターン const user = await fetchUser(); const posts = await fetchPosts(); // ← ここはuser取得後でないと始まらない
を 逐次的に使いすぎるとパフォーマンス低下に繋がる場合もawait
応用・発展的な使い方
-
非同期ループ処理(for await...of)
for await (const item of asyncIterator()) { console.log(item); }
-
即時実行関数と組み合わせて使う
(async () => { const res = await fetch('/api/data'); console.log(await res.json()); })();
-
再帰やリトライ処理でも活躍
async function retryFetch(url, retries = 3) { try { return await fetch(url); } catch (e) { if (retries > 0) return retryFetch(url, retries - 1); throw e; } }
await
は「構造化された非同期制御の道具」として様々な応用が可能です。
よくある誤解と注意点(任意)
は Promise 以外に使っても意味がない:非Promiseなら即座に次の行へawait
- トップレベルでは使えない(ES2022以前):Node.jsや一部ブラウザで対応中だが注意
- 同期処理との混在でブロッキングしやすい:ループ内などで要注意
- 複数 await の逐次処理がパフォーマンスを下げる:依存関係のない処理は
へPromise.all()
正しく使えば
await
は直感性と性能を両立できる構文になります。
まとめ
await
は、非同期処理を“見た目は同期”的に記述できる構文であり、非同期コードの可読性・保守性を大きく改善します。Promise を正しく理解した上で
await
を使いこなせば、現代のJavaScript開発における非同期設計が圧倒的に洗練されるでしょう。単なる構文ではなく、**コードの流れを設計するための「リズムを整える道具」**として活用しましょう。