API
公開日: 2025/06/02
APIとは?──アプリケーション同士をつなぐインターフェースの仕組みと設計原則
はじめに
Webアプリ、スマホアプリ、IoTデバイス…それらが「他のサービスと連携する手段」として、今や欠かせないのが**API(Application Programming Interface)**です。
APIは単なるURLの羅列ではなく、機能を公開・再利用・連携するための“契約”のような存在。
本記事では、APIの基本概念、種類、設計原則、実装方法、セキュリティのポイントまで幅広く解説します。
基本情報・概要
API(Application Programming Interface)とは、**ソフトウェア同士がやりとりするための接点(=インターフェース)**です。
主な目的:
- 他のアプリケーションから機能を利用可能にする
- 再利用・自動化・分散システムを構築
- サービスやシステムを疎結合に保ち、柔軟に拡張可能にする
開発者にとって、APIは「機能のドアノブ」のようなものです。
比較・分類・特徴の表形式まとめ(任意)
種類 | 説明・特徴 | 例 |
---|---|---|
Web API(HTTP) | インターネット越しにアクセスされるREST/GraphQLなど | Twitter API, GitHub API |
OS API | OSの機能(ファイル、ネットワーク)にアクセス | Windows API, POSIX API |
ライブラリAPI | ライブラリ・SDKが提供する関数やメソッドの仕様 | jQuery API, TensorFlow API |
特に現代では「Web API=HTTPベースのREST/GraphQL API」を指すことが一般的です。
深掘り解説
✅ REST APIの基本構造
REST(Representational State Transfer)は、Web上でリソースを扱う設計スタイルです:
-
エンドポイント例
GET /users → ユーザー一覧を取得 POST /users → 新しいユーザーを作成 GET /users/123 → 特定ユーザーの詳細を取得 PUT /users/123 → ユーザー情報を更新 DELETE /users/123 → ユーザーを削除
-
特徴:
- HTTPメソッド(GET, POST, PUT, DELETE)に意味を持たせる
- 状態を持たない(ステートレス)
- クライアントとサーバーが明確に分離
✅ GraphQLとの違い
- REST:エンドポイントごとに固定されたレスポンス
- GraphQL:クライアントが欲しいデータだけをクエリで取得
query { user(id: "123") { name email } }
→ 結果がコンパクトかつ柔軟(ただし構築と保守は複雑になりやすい)
応用・発展的な使い方
- 認証付きAPI(OAuth 2.0、JWTなど):ユーザーやアプリのアクセス制御
- Webhook連携:イベント発火で自動通知を行う構造
- バージョン管理(/v1/, /v2/):後方互換性のある進化設計
- APIゲートウェイ(API Gateway、Kongなど):ルーティング・認証・レート制限を集中管理
APIは**“サービスとしての公開契約”であり、設計の品質がUXに直結**します。
よくある誤解と注意点(任意)
- API = HTTPではない:OSやライブラリレベルでもAPIは存在する
- 設計が雑だと破綻しやすい:エラーコード、構造、命名などが重要
- セキュリティが後回しになりがち:認証・認可・CORS・CSRF・レート制限は必須
- 仕様ドキュメント不足:OpenAPI/Swaggerで機械+人間用ドキュメントを整備すべき
API設計は**「実装よりも設計の時間をかける価値がある」領域**です。
まとめ
APIは、アプリケーション同士が機能を共有し、システムをつなげるための設計されたインターフェースです。
Web APIを中心に、開発の自動化・拡張性・他サービス連携を実現するうえで、今や欠かせない基盤技術となっています。
小さなツールでも、外部とつながることを意識して**“使われるAPI”の設計力**を育てていきましょう。