Spring Boot入門
公開日: 2025/06/03
Spring Boot入門:Javaで簡単にWebアプリを構築しよう
はじめに
JavaでWebアプリを開発しようとすると、設定ファイルや依存関係の管理、ServletやXMLの煩雑さに苦労することがあります。そんな課題を解決するのが「Spring Boot」です。最小限の設定でWebアプリを構築できるこのフレームワークは、エンタープライズから個人開発まで幅広く使われています。
基本情報・概要
Spring Bootは、Spring FrameworkをベースにしたJavaのWebアプリケーションフレームワークです。特徴は以下の通り:
- 自動構成(auto configuration)による設定不要の開発
- 組み込みWebサーバー(Tomcat)で即時実行
- 単一のJARファイルでデプロイ可能
- 多くの依存関係を簡単に管理(Spring Initializr)
- REST APIやデータベース連携も簡単に構築
Javaでのバックエンド開発を効率化するための強力なツールです。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
項目 | Spring Boot | 従来のSpring |
---|---|---|
構成ファイル | 最小限( ) | 多数のXML設定が必要 |
サーバー起動 | 単体JARで即起動 | WARデプロイ + 外部Tomcatが必要 |
学習コスト | 中(初心者向け) | 高(設定が複雑) |
モジュール管理 | Maven/Gradle + Initializr | Maven設定手動 |
拡張性 | 高 | 高 |
深掘り解説
最も簡単なSpring Bootアプリを作ってみましょう。
@SpringBootApplication public class DemoApplication { public static void main(String[] args) { SpringApplication.run(DemoApplication.class, args); } }
コントローラーを追加します:
@RestController public class HelloController { @GetMapping("/") public String hello() { return "Hello, Spring Boot!"; } }
pom.xml
または build.gradle
にSpring Boot Starterの依存関係を追加するだけで、実行可能なアプリが完成します。
Spring Initializr(https://start.spring.io)を使えば、必要な依存を選択しながらすぐにプロジェクトを作成可能です。
応用・発展的な使い方
- RESTful APIの構築(
,@RestController
)@RequestMapping
- データベース連携(Spring Data JPA + H2/MySQL/PostgreSQL)
- セキュリティ機能(Spring Security)
- 非同期処理(
)@Async
- バッチ処理(Spring Batch)
特にSpring Boot + JPA + REST構成は、業務アプリのスタンダードとなっています。
よくある誤解と注意点
- Spring Bootは「学習不要」とは言えない:基本のSpringの概念は知っておくべきです。
- 自動構成は便利ですが、裏で何が起きているかは知っておくとトラブル対応に強くなれます。
- 初期は軽量でも、機能を詰め込みすぎると起動が遅くなることがあります。
まとめ
Spring BootはJavaのWebアプリ開発を劇的に効率化してくれるフレームワークです。環境構築の簡単さ、豊富な機能、活発なコミュニティにより、モダンなWeb開発の出発点として最適です。まずは簡単なAPIから作成して、その便利さを体感してみてください。