HTTPとHTTPSの違い
公開日: 2025/06/03
HTTPとHTTPSの違い:通信を守るセキュアな選択とは?
はじめに
WebサイトのURLでよく見かける「http://」と「https://」。
一見似ているこの2つには、セキュリティと信頼性において大きな違いがあります。
本記事ではHTTPとHTTPSの違いを中心に、HTTPS導入の重要性とその効果をわかりやすく解説します。
基本情報・概要
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HTTP(HyperText Transfer Protocol):
Webブラウザとサーバー間でテキストや画像などのデータを送受信するプロトコル。暗号化はされていない。 -
HTTPS(HTTP Secure):
HTTP通信を**SSL/TLSで暗号化**したプロトコル。通信内容の盗聴や改ざんを防ぐ。
両者の違いは「通信の暗号化と認証の有無」に集約されます。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
項目 | HTTP | HTTPS |
---|---|---|
通信の暗号化 | なし | あり(SSL/TLSで暗号化) |
通信内容の安全性 | 傍受・改ざんのリスクあり | 秘匿性・完全性・改ざん防止を保証 |
URL形式 | http://example.com | https://example.com |
ポート番号 | 80 | 443 |
SEO評価 | 対象外 | Googleがランキング要因として加味 |
サイト表示 | 「保護されていない通信」と警告されることがある | 鍵マーク表示・証明書情報も確認可能 |
深掘り解説(仕組みの違い)
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HTTP通信の流れ:
[クライアント] ⇄ (平文) ⇄ [Webサーバー]
- 通信内容はそのまま見える状態でネットワークを通過
- IDやパスワードも盗聴される可能性あり(特に公共Wi-Fiなど)
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HTTPS通信の流れ:
[クライアント] ⇄ TLSハンドシェイク ⇄ [Webサーバー] ⇓ 鍵交換・証明書検証 ⇓ 暗号化された通信確立(HTTPS)
- 初回にサーバーのSSL証明書を検証し、通信内容を暗号化してやり取り
- クライアントとサーバーだけが中身を読める(第三者には不可)
応用・発展的な使い方
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常時HTTPS(HSTS):
ヘッダーでリダイレクト忘れも防止Strict-Transport-Security
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Let’s Encryptで無料SSL証明書の導入:
- 自動更新スクリプトと併用すれば手間なく常時保護が可能
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リダイレクト対策:
アクセスをhttp://
に自動転送(301リダイレクト)https://
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API通信でもHTTPSは必須:
- JWTやセッションIDが盗まれると認証破りにつながるため
よくある誤解と注意点
- 「HTTPSなら絶対安全」ではない:暗号化されていてもXSSやCSRFは防げない
- SSL証明書は種類や認証レベルによって信頼度が異なる(DV, OV, EVなど)
- パフォーマンスが心配されがちだが、現代のTLSは極めて高速でオーバーヘッドは微小
まとめ
HTTPとHTTPSの違いは、「通信内容が保護されているかどうか」という本質的な差にあります。
ユーザーの安心、検索順位、APIセキュリティ、規制対応など、現代のWebにおいてHTTPSはもはや必須の標準です。
まだ未導入であれば、今すぐHTTPS化を進めましょう。技術的な負担は小さく、得られる安心と信頼は非常に大きいです。