ストレージ管理
公開日: 2025/06/03
ストレージ管理とは?データの効率的な保存と運用の基本
はじめに
データ量の爆発的な増加に伴い、企業や個人における「ストレージ管理」の重要性はますます高まっています。
単なる保存だけでなく、安全性、可用性、拡張性、コストを考慮した設計・運用が求められます。
本記事では、ストレージ管理の基礎から種類、代表的な技術、運用のポイントまでを解説します。
基本情報・概要
ストレージ管理とは、デジタルデータを保存・分類・最適化し、安全かつ効率的に活用するための管理業務全般を指します。
- 保存領域の確保と分配(物理・論理)
- パフォーマンスの監視と最適化
- バックアップと冗長化
- 障害検知と対応、データのライフサイクル管理
比較・分類・特徴の表形式まとめ
ストレージの種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
DAS(直接接続) | 単一サーバーに直結、高速だが拡張性に欠ける | 小規模サーバー、個人利用 |
NAS(ネット接続) | ファイル共有に適し、LAN経由で複数端末と共有可能 | 社内ファイルサーバー、小規模バックアップ |
SAN(専用ネット) | 高速・高信頼性、ブロック単位でアクセス | エンタープライズ向け、高負荷DB |
オブジェクトストレージ | スケーラブルで非階層型、メタデータ付き | クラウド、動画・ログの保存 |
深掘り解説
LVMやRAIDによる構成管理
- LVM(Logical Volume Manager):柔軟なディスク管理が可能で、拡張・縮小・スナップショットも対応
- RAID(冗長構成):データのミラーリングやストライピングにより、可用性と性能を両立
例:RAID構成の違い
- RAID 0:高速だが冗長性なし
- RAID 1:ミラーリングで冗長性確保
- RAID 5:パリティ付きでバランス型
- RAID 10:RAID 1とRAID 0の複合構成
ストレージ監視と自動化
- 容量アラート、I/O性能のモニタリング
- ストレージの階層化(ホット・コールドデータの分類)
- 自動アーカイブ・自動クリーンアップのスクリプト実行
応用・発展的な使い方
- クラウド連携:オンプレとクラウド(S3等)を併用するハイブリッド構成
- スナップショット管理:仮想環境の状態保存と即時復旧に活用
- データ重複排除(Deduplication):保存効率向上、バックアップコスト削減
- アクセス制御と暗号化:ストレージ層でのセキュリティ強化
よくある誤解と注意点
- 容量=安心ではない(アクセス性能・冗長性も重要)
- RAIDはバックアップの代替にならない
- モニタリングを怠ると、障害発生時の対応が遅れる
- コスト面でクラウドとオンプレのバランスを誤ると過剰支出の可能性あり
まとめ
ストレージ管理は、データ活用の土台を支える重要なインフラ業務です。
保存性能・拡張性・可用性・セキュリティの4要素を意識して、システム全体を設計・運用することが求められます。
オンプレ、クラウド、仮想化、IoT時代においても、柔軟かつ堅牢なストレージ戦略を構築していきましょう。