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REST

公開日: 2025/06/02

RESTとは?──Webにおけるリソース設計の思想と実践

はじめに

APIの話になるとよく聞く「REST」という言葉。
しかし、「RESTful APIってつまり何?」「どうしてあのURL設計になるの?」という疑問を持ったことはありませんか?
RESTはただのURLの書き方ではなく、Webのアーキテクチャ全体に関する設計思想です。
本記事では、RESTの定義、原則、RESTful APIとの関係、設計実例までを体系的に解説します。

基本情報・概要

REST(Representational State Transfer)とは、**Webのような分散システムの設計スタイル(アーキテクチャスタイル)**です。

主な特徴:

  • リソース中心の設計(名詞ベースのURL)
  • ステートレスな通信(リクエストにすべての情報を含む)
  • 標準的なHTTPメソッドの活用(GET, POST, PUT, DELETEなど)

RESTを用いたAPI設計を「RESTful API」と呼びます。

比較・分類・特徴の表形式まとめ(任意)

RESTの原則説明
クライアント/サーバ分離UIとデータ処理を分離し、独立に開発・スケーリング可能
ステートレス性各リクエストは完全に独立しており、前後の状態に依存しない
キャッシュ対応応答にキャッシュ可能性を明示し、性能と効率を向上
統一インターフェースHTTPメソッド、URL、ステータスコードなどに共通の取り決めがある
階層構造URIは階層構造的にリソースを表現
コードオンデマンド(任意)サーバーがJavaScriptなどをクライアントに提供して動的実行させることもできる(多くは未使用)

RESTは**「どう設計すれば拡張性・保守性の高いAPIになるか」への1つの答え**です。

深掘り解説

✅ RESTful APIのURL設計例(ユーザー管理)

GET     /users         → 全ユーザー一覧
GET     /users/123     → ID=123のユーザー情報取得
POST    /users         → 新規ユーザー作成
PUT     /users/123     → ユーザー情報の更新
DELETE  /users/123     → ユーザーの削除
  • URLはリソース(名詞)を表し、動詞はHTTPメソッドに託す
  • 一貫したルールがあることで、初見のAPIでも直感的に理解可能

✅ ステータスコードと意味(代表例)

ステータス意味
200 OK成功(GET/PUT/DELETEなど)
201 Created作成成功(POST)
400 Bad Request不正なリクエスト
404 Not Foundリソースが見つからない
500 Server Errorサーバー内部のエラー

HTTPプロトコルのルールを最大限に活用するのがRESTの基本姿勢です。

応用・発展的な使い方

  • ネストされたリソースの表現
    /users/123/posts
    など階層的に設計
  • フィルターや検索クエリ
    /users?age=20&active=true
  • HATEOAS(自己記述リンク):レスポンスに次のアクションを示すURLを含む(高度なREST)
  • バージョニング
    /v1/users
    のようにAPIの進化に備える

RESTは単なる設計“ルール”ではなく、“思想”に基づいた構造です。

よくある誤解と注意点(任意)

  • 「REST=HTTP API」ではない:HTTPはRESTを実現する手段の1つ
  • 完全なREST準拠は困難な場合もある:現実的には「RESTfulに近づける設計」でOK
  • GETで副作用を起こすと危険:設計思想に反するだけでなく、セキュリティにも影響
  • 複雑すぎる階層構造:無理にネストしすぎると可読性が落ちる

RESTは**「どこまで原則を守るか」より「一貫性があるか」が重要**です。

まとめ

RESTは、Webにおけるシステム設計の原則を定めたアーキテクチャスタイルです。
RESTful APIはその原則に従って設計されたAPIであり、再利用性・拡張性・保守性に優れた構造を提供します。
完璧を求めるのではなく、**「クライアントにとって直感的で分かりやすい設計」**を目指すことで、RESTの恩恵を最大化できるでしょう。