Next.jsとSSR：高速かつSEOに強いReactフレームワークの実力

はじめに

Reactは強力なUIライブラリですが、標準ではクライアントサイドレンダリング（CSR）で動作するため、SEO対策や初期表示の速度に課題がありました。これを解決するために登場したのが「Next.js」です。特にSSR（サーバーサイドレンダリング）機能は、パフォーマンスとSEOの両立を可能にします。本記事では、Next.jsにおけるSSRの仕組みと使いどころを解説します。

基本情報・概要

Next.jsはVercelが開発したReactベースのフレームワークで、以下の特徴を備えています：

• サーバーサイドレンダリング（SSR）
• 静的サイト生成（SSG）
• クライアントサイドレンダリング（CSR）との併用
• ルーティング機能（ファイルベース）
• APIルート内蔵
• デプロイが簡単（Vercelや他のクラウドでも可）

中〜大規模なWebサービスにおいて、SEOとUXを両立したモダンなWeb開発が可能です。

比較・分類・特徴の表形式まとめ

深掘り解説

Next.jsにおけるSSRの基本は、

getServerSideProps

を使うことです。
以下はサーバーで毎回データを取得し、それを表示する例です：

export async function getServerSideProps(context) {
    const res = await fetch("https://api.example.com/data");
    const data = await res.json();

    return {
        props: { data },
    };
}

export default function Page({ data }) {
    return (
        <div>
            <h1>サーバーサイドから取得したデータ</h1>
            <pre>{JSON.stringify(data, null, 2)}</pre>
        </div>
    );
}

このように、リクエストのたびにデータを取得し、サーバー上でHTMLを生成してからクライアントに送信します。

応用・発展的な使い方

• SSR + 認証付きページ（Cookieをcontextから読み取って処理）
• SSR + API連携（外部サービスとのリアルタイム通信）
• ISR（Incremental Static Regeneration）によるハイブリッド構成

ISRを使えば、SSGの高速さを保ちつつ、一部だけ定期的に再生成するという柔軟な運用も可能です：

export async function getStaticProps() {
    const data = await fetchData();
    return {
        props: { data },
        revalidate: 60, // 60秒ごとに再生成
    };
}

よくある誤解と注意点

• SSR＝常に最適とは限らない：毎回HTMLを生成するため、トラフィックが多いとサーバー負荷が高くなる
• SEO目的でも、内容があまり変わらないならSSGの方が効率的
• SSRとCSRの切り替えや併用により、パフォーマンス最適化が必要

まとめ

Next.jsはReact開発における柔軟なレンダリング戦略を提供しており、特にSSRはSEOや初期描画速度を重視する場面で強力です。プロジェクトの要件に応じて、SSR・SSG・CSRを適切に使い分けることで、ユーザー体験と検索パフォーマンスの両立が可能になります。まずは小さなページで

getServerSideProps

を試し、その効果を体感してみましょ