MVCとは？──Webアプリ設計の定番構造とその役割分担

はじめに

「画面の処理とデータの処理がごちゃごちゃで、コードが読みにくい」──そんな悩みを解決する手法の1つが「MVC（Model-View-Controller）」という設計パターンです。
MVCは、Webアプリやデスクトップアプリなど、UIを持つシステムの構造を役割ごとに分けて設計するための定番アーキテクチャです。この記事では、MVCの構造、各コンポーネントの責任、実際のコード適用例までをわかりやすく解説します。

基本情報・概要

MVCは、アプリケーションを「Model（データ）」「View（画面）」「Controller（制御）」の3つの責務に分離して設計する構造パターンです。

• Model：データとビジネスロジックを管理（DBとのやりとりなど）
• View：ユーザーに表示される画面（HTML、テンプレート）
• Controller：ModelとViewの橋渡し役。リクエストを受けて処理を振り分ける

MVCを採用することで、構造が明確になり、保守性・再利用性が高まります。

比較・分類・特徴の表形式まとめ（任意）

MVCは「責任の分離（Separation of Concerns）」を実現する構造的手法です。

深掘り解説

Node.js（Express）での簡易MVC構成：

• models/User.js

  class User {
      static findAll() {
          return db.query('SELECT * FROM users');
      }
  }
  

• controllers/userController.js

  const User = require('../models/User');
  exports.index = async (req, res) => {
      const users = await User.findAll();
      res.render('users/index', { users });
  };
  

• views/users/index.ejs

  <ul>
    <% users.forEach(user => { %>
      <li><%= user.name %></li>
    <% }) %>
  </ul>
  

上記のように、Modelがデータを取得し、Controllerが処理を統括し、Viewが表示するという明確な役割分担が実現されます。

応用・発展的な使い方

• MVC+Service構成：Controllerの責任を分割してより柔軟な構造に
• MVVMやMVPとの比較：UIの複雑さに応じて設計を柔軟に進化させる
• フロントエンドSPAでも適用：React/Vueでも「状態（Model）」「表示（View）」「イベントハンドラ（Controller）」の分離は可能
• クリーンアーキテクチャとの組み合わせ：ドメイン中心設計への発展

MVCは拡張性のある最小構成として、他のアーキテクチャの土台にもなります。

よくある誤解と注意点（任意）

• 「MVCさえ守れば正しい設計」ではない：粒度や責任分離のバランスが重要
• Controllerにロジックが集中しがち：Service層の導入で分離を
• Model＝DB操作だけではない：ドメインルールや状態遷移の責任も担う
• Viewが肥大化しやすい：テンプレートエンジンとコンポーネント分割で防止

MVCは「設計の入口」ですが、柔軟に適用・進化させていくことが本質です。

まとめ

MVCは、アプリケーションを構造化し、保守性と見通しの良さをもたらす古典的かつ実用的な設計パターンです。
役割ごとに責任を分離することで、コードの読みやすさ・テストのしやすさ・チーム開発の効率が大きく向上します。
最初はシンプルなMVC構成で始め、プロジェクトの成長に合わせてサービス層やドメイン分離へと進化させる設計センスを身につけていきましょう。