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IaaS / PaaS / SaaS

公開日: 2025/06/03

IaaS / PaaS / SaaS：クラウドサービスの3つの形態を正しく理解しよう

はじめに

クラウドサービスを選ぶとき、「IaaS？PaaS？SaaS？」という分類をよく目にします。
それぞれの言葉は何を指し、どう使い分ければ良いのでしょうか？
本記事では、クラウドの基本モデルであるIaaS・PaaS・SaaSの違いと具体例、活用場面を分かりやすく解説します。

基本情報・概要

IaaS・PaaS・SaaSは、クラウドコンピューティングの提供形態の分類です。
どこまでをユーザーが管理し、どこからをクラウド事業者が提供するかで3つに分かれます。

  • IaaS（Infrastructure as a Service）：仮想マシンやストレージなど、インフラを提供
  • PaaS（Platform as a Service）：アプリ実行に必要なプラットフォームを提供
  • SaaS（Software as a Service）：完成済みのアプリケーションを提供

比較・分類・特徴の表形式まとめ

項目IaaSPaaSSaaS
提供対象VM、ネットワーク、ストレージ実行環境（OS、DB、フレームワークなど）完成したアプリケーション
管理範囲OSやミドルウェアの管理が必要アプリ開発に専念できるUIの操作だけでOK
柔軟性高い（自由度最大）中程度（制約あり）低い（提供された機能に限定される）
適した用途自由な環境が必要な開発・運用WebアプリやAPI開発の迅速展開メール、ドキュメント、CRMなどの業務活用
代表サービス例AWS EC2、Google Compute EngineHeroku、Google App Engine、AWS Elastic BeanstalkGoogle Workspace、Slack、Salesforce

深掘り解説

  • IaaSの例（AWS EC2）：

      - OSの選定やインストール、セキュリティ設定はすべて自分で行う
  - 柔軟な構成が可能（DockerやKubernetesなども構築可）
  - [DevOps](/articles/devops)や高度なインフラ設計に適している

  • PaaSの例（Heroku）：

      - `git push heroku main` でデプロイ完了
  - インフラ構築不要で、アプリコードに専念できる
  - 開発体験がシンプルな反面、制約やベンダーロックインの懸念もある

  • SaaSの例（Google Docs, Dropbox, Notionなど）：

      - すぐに使えるサービス。ソフトのインストールやアップデート不要
  - カスタマイズ性は低いが、非エンジニアにも最適
  - 定額課金や従量課金モデルが多い

応用・発展的な使い方

  • ハイブリッド構成：

  • マルチクラウド戦略：

    • GCP + AWS + Azureを組み合わせて可用性やコスト最適化

  • BtoB SaaS開発：

    • 自社でPaaS + DB構成を用いてSaaS型サービスを提供

よくある誤解と注意点

  • 「IaaSの方が上位」というわけではない：用途に応じた選択が重要
  • PaaSは簡単でも「完全に自由ではない」：対応言語・フレームワークに制限あり
  • SaaSでも「セキュリティ対策・アカウント管理」はユーザー側の責任も含む

まとめ

IaaS・PaaS・SaaSは、どこまでを自社が構築・管理し、どこからをサービスとして受け取るかの違いで分類されます。
柔軟性・スピード・責任範囲のバランスを見極めて、プロジェクトやチームのフェーズに最適なクラウドモデルを選択しましょう。