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WebpackとViteの比較

公開日: 2025/06/03

WebpackとViteの比較:次世代ビルドツールはどちらを選ぶべきか?

はじめに

フロントエンド開発では、コードのビルド・バンドル・最適化を行うためにビルドツールが不可欠です。長年のデファクトスタンダードであるWebpackに対し、Viteは次世代の高速ビルドツールとして注目を集めています。本記事では、WebpackとViteの違いを徹底比較し、それぞれのメリットと選定ポイントを解説します。

基本情報・概要

  • Webpack:モジュールバンドラーの定番。設定の柔軟性とプラグインエコシステムが豊富。
  • Vite:ESモジュールベースで開発サーバーが高速起動。ビルドにはRollupを使用。

どちらもReact/Vue/Svelteなどのモダンフレームワークに対応していますが、開発体験や構築速度に違いがあります。

比較・分類・特徴の表形式まとめ

項目WebpackVite
開発サーバーバンドル後に提供(遅め)ESMベースで即時提供(高速)
本番ビルドWebpackエンジンRollupを使用
設定の難易度高(複雑になりがち)低(デフォルトで動作)
プラグイン拡張豊富な公式・非公式プラグインRollup/Vite独自プラグインが充実
初期起動速度遅め(ウォームアップが必要)非常に速い(HMRが瞬時)
対応フレームワーク全対応(React, Vue, Svelteなど)全対応 + Vue/Reactは公式テンプレあり

深掘り解説

  • Webpackの構成例(React)

    // webpack.config.js module.exports = { entry: "./src/index.jsx", output: { path: __dirname + "/dist", filename: "bundle.js" }, module: { rules: [ { test: /.jsx?$/, use: "babel-loader", exclude: /node_modules/ } ] } };

  • Viteの構成例(React)

    // vite.config.js import { defineConfig } from "vite"; import react from "@vitejs/plugin-react";

    export default defineConfig({ plugins: [react()], });

起動コマンド:

# Webpack
npm run start

# Vite
npx vite

Viteは「設定しなくても即動く」体験が非常に快適です。

応用・発展的な使い方

  • Webpack:

    • Webpack 5以降でModule Federation(マイクロフロントエンド
    • カスタムLoader/Pluginを自由に定義
    • Storybook、Electronなど複雑な構成で強い
  • Vite:

    • VueやReactとの公式テンプレートで即開発開始
    • SSR・静的サイト生成(VitePress、SvelteKit、Astro)との統合
    • HMRが高速なので、UI開発に最適

よくある誤解と注意点

  • Webpackは「時代遅れ」ではない:複雑な要件には今も強力
  • Viteは「ビルドが弱い」わけではない:本番ビルドはRollupで最適化されている
  • ViteのプラグインはRollupと異なる点があるため注意(互換性に差異あり)

まとめ

WebpackとViteは、いずれも強力なビルドツールですが、目的とプロジェクトの規模によって最適解が変わります:

  • 高速な開発体験と簡潔な構成を求めるなら Vite
  • 柔軟で大規模な構成や既存資産との統合が必要なら Webpack

まずはViteで試し、必要に応じてWebpackへ移行、あるいは併用する戦略もおすすめです。