モビリティトレーニング
公開日: 2025/06/05
モビリティトレーニング|関節の可動域と機能性を高める基礎習慣
はじめに
「ストレッチしてるのに体が動かしづらい」
「スクワットが深くできない」「肩がスムーズに動かない」
そんな人にこそ必要なのがモビリティトレーニング(Mobility Training)です。これは単なる柔軟運動ではなく、“動きながら可動域を広げ、関節の機能性を高める”トレーニングです。
モビリティとは?
**モビリティ(Mobility)とは、関節を正しいフォームで広い可動域のまま動かせる能力のこと。
単なる柔軟性(フレキシビリティ)とは異なり、「筋力」×「柔軟性」×「神経制御」**のバランスで成り立っています。
項目 | 内容 |
---|---|
柔軟性 | 筋肉・腱・筋膜の伸びやすさ |
モビリティ | 関節が制御された動きで動く能力 |
スタビリティ | 安定性。モビリティと対をなす概念 |
モビリティトレーニングの目的と効果
- 関節可動域の向上(例:深いスクワットが可能に)
- 姿勢改善と動作の安定(例:猫背・巻き肩の予防)
- ケガ予防(例:膝痛や腰痛の軽減)
- スポーツパフォーマンス向上(例:ランニング・投球動作などがスムーズに)
モビリティトレーニングの代表種目
1. ワールド・グレイテスト・ストレッチ
- ランジ → 肘を床へ → ツイスト → ヒップアップの流れ
- 股関節・胸椎・ハムストリング・ふくらはぎに効く
2. 90/90ヒップモビリティ
- 片膝を90度に曲げて前方、反対脚を後方に置く姿勢で骨盤を動かす
- 股関節の内外旋機能を改善
3. キャット&カウ(Cat & Cow)
- 四つん這いで背中を丸める&反らす
- 背骨と骨盤の連動性を高める
4. バンドアームサークル
- チューブを使って肩関節の全方向回旋を強化
- 肩の可動域と安定性アップ
実践時のポイント
- 動きを止めずに“滑らかに”動かす(=動的モビリティ)
- 左右差や痛みの出る動作を確認 → 弱点把握にも活用
- トレーニング前(ウォームアップ時)に最適
- 呼吸と連動させるとより効果的(息を吐く=リリース)
よくある誤解と注意点
- 「ストレッチすればモビリティも上がる」→ ×:可動域+制御が必要
- 「柔軟性がある=モビリティもある」→ △:筋力や安定性が伴っていなければNG
- 「痛みを我慢すれば動くようになる」→ ×:痛みが出る動作はフォーム修正が先
モビリティを高めたい部位別の例
部位 | モビリティエクササイズ例 |
---|---|
股関節 | 90/90ヒップローテーション、ディープスクワットポーズ |
胸椎 | スパイナルツイスト、ワールドグレイテストストレッチ |
足首 | カーフモビリティランジ、膝前方スライドドリル |
肩・肩甲骨 | バンドサークル、ウォールスライド |
まとめ
モビリティトレーニングは、動ける身体=「自在に使える関節と筋肉」づくりの土台です。
筋トレやスポーツの前後に取り入れるだけで、フォームの安定・怪我予防・パフォーマンスアップが期待できます。
柔らかくするだけでなく、“動かせる範囲”を意識して、今日から動的モビリティを習慣にしてみましょう。