動的ストレッチ
公開日: 2025/06/05
動的ストレッチ(Dynamic Stretching)|ウォームアップに最適な柔軟法
はじめに
「準備運動しても体が重い…」
「運動開始直後にケガをしやすい」
そんな人におすすめなのが 動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ) です。これは、体を“動かしながら伸ばす”ストレッチ方法で、筋温を上げつつ関節の可動域も広げられる、スポーツ前に最適な準備運動です。
動的ストレッチとは?
**動的ストレッチ(Dynamic Stretching)**とは、反動やリズムをつけながら体を動かし、筋肉や関節の可動域を広げていく柔軟法です。
静的ストレッチと異なり、筋肉を温めて神経系を刺激しながら柔軟性を高めるため、運動前のウォームアップに非常に適しています。
静的ストレッチとの違い
比較項目 | 動的ストレッチ | 静的ストレッチ |
---|---|---|
動き | リズミカルに動かしながら伸ばす | 動かずにじっと伸ばす |
タイミング | 運動前のウォームアップに最適 | 運動後のクールダウンに最適 |
目的 | 筋温上昇・神経活性・可動域拡張 | 柔軟性向上・リラックス・筋疲労回復 |
例 | ランジツイスト、肩回し、もも上げ | 前屈、開脚、アキレス腱伸ばし |
メリット
- 筋温を上昇させ、怪我予防に効果的
- 動作の流れでストレッチするため、実際の運動に近い動きができる
- 交感神経が刺激され、集中力・心拍数も適度に上昇
- 運動パフォーマンス(瞬発力・俊敏性)が向上しやすい
代表的な動的ストレッチ例
1. レッグスイング(前後/左右)
- 壁に手をついて、片脚を前後または左右にスイング
- 股関節・ハムストリング・内転筋の可動域改善
2. ランジ+ツイスト
- 前方にランジしながら、上体をツイスト
- 骨盤・背骨・胸椎のモビリティ向上
3. ハイニー(もも上げ走)
- その場でリズミカルにももを高く上げる
- 大腿四頭筋・腸腰筋の動員+心拍アップ
4. アームサークル
- 腕を大きく前後に回す
- 肩関節の可動域確保、肩こり予防にも◎
実践時のポイント
- 呼吸は止めずに自然に行う
- 急激な反動や勢い任せの動作は避ける
- 10〜15回程度/1種目あたり30秒〜1分が目安
- 動かしながら“伸びている部位”を意識する
よくある誤解と注意点
- 「伸ばしてる感じが少ない=効いてない」→ ×:目的は“可動域の準備”と“動的な刺激”
- 「勢いよくやる方がいい」→ ×:反動ではなく“制御された動き”が理想
- 「すぐ本運動に入っていい」→ △:心拍が安定してから徐々にメインに入ること
まとめ
動的ストレッチは、運動前の身体を“動ける状態”に整える準備運動の王道です。
静的ストレッチとは目的が異なり、**筋肉を伸ばすというより、“動作の質を高めるための準備”**に特化しています。
これから運動するすべての人に、ぜひ取り入れてほしい“怪我予防 × パフォーマンス向上”のベース作りです。