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IO処理

公開日: 2025/06/02

I/O処理とは?──データの受け渡しを担うアプリケーションの生命線

はじめに

プログラムは入力がなければ動かず、出力がなければ成果を残しません。
こうした外部とのやりとりを担うのが「I/O処理(Input/Output 処理)」です。
ファイル操作、標準出力、ネットワーク通信、センサーデータの取得など、データの入口と出口のすべてがI/O処理に該当します。
本記事では、I/Oの基本概念、同期と非同期の違い、バッファリング、ファイルやネットワークでの使い方までを網羅します。

基本情報・概要

I/O処理とは、プログラムが外部の情報源(入力)とやり取りし、処理結果を外部へ出力する一連の動作を指します。

主なI/Oの対象:

  • ファイル(テキスト・バイナリ)
  • ネットワーク(HTTP, TCP/UDP)
  • コンソール(標準入力/出力)
  • デバイス(カメラ、センサー、マイクなど)

I/Oは「プログラムと外の世界をつなぐインターフェース」そのものです。

比較・分類・特徴の表形式まとめ(任意)

区分説明使用例
入力(Input)データを外部から受け取るファイル読み込み、HTTPリクエスト受信
出力(Output)データを外部へ送り出すログ出力、レスポンス送信
同期I/O処理完了まで待機するPython の
read()
,
write()
非同期I/O待たずに処理を続け、完了をイベントで受信Node.js,
async/await

I/O処理の設計は性能・応答性・並列性に大きな影響を与えます。

深掘り解説

✅ 同期 vs 非同期

  • 同期I/O:読み書きの完了を待って次の処理へ
    • 処理は直線的でわかりやすいが、I/O遅延で全体が止まりやすい
  • 非同期I/O:完了を待たずに次へ進み、後から通知を受ける
    • Webサーバやリアルタイム処理に向く(Node.jsやGoなど)
// Node.js 非同期読み込み
fs.readFile("data.txt", "utf8", (err, data) => {
  if (err) throw err;
  console.log(data);
});

✅ バッファリングの仕組み

I/O処理では通常、**バッファ(Buffer)**と呼ばれる中間領域を使って処理の効率を上げます。

  • 小さいデータを一つずつ処理せず、ある程度まとめて処理
  • 高速なCPUと遅いI/Oデバイス間のスピード差を吸収
  • 適切なバッファサイズ設計で**レイテンシとスループットの最適化**が可能

✅ ファイルI/OとネットワークI/Oの違い

  • ファイルI/O:比較的安定、ローカルディスクアクセス
  • ネットワークI/O:通信の遅延・断絶リスクあり、再試行設計が重要
  • 共通点:どちらも**ストリーム(連続データ)**として扱えることが多い

応用・発展的な使い方

  • HTTP通信とファイル操作のパイプライン構築
  • ストリームAPIによる動画/音声のリアルタイム処理
  • イベントループと非同期I/Oの組み合わせ(Node.js, Python asyncio)
  • エラー処理・タイムアウト・再送設計による堅牢化

I/Oは設計次第でアプリのUXもパフォーマンスも劇的に変わります

よくある誤解と注意点(任意)

  • 同期I/Oを乱用するとレスポンスが重くなる
  • 非同期I/Oのエラーハンドリングは設計が難しい
  • バッファサイズの未調整でパフォーマンス低下
  • リソースクローズ忘れ(ファイルやソケット)に注意

I/O処理は「単なる読み書き」ではなく、「通信と待機の設計そのもの」です。

まとめ

I/O処理は、プログラムが外部と情報をやり取りするための根幹機能であり、入力・処理・出力というソフトウェアの基本サイクルを支えています。
ファイル、ネットワーク、標準入出力、デバイスとの連携など、用途によって適切な方式(同期 or 非同期、バッファサイズなど)を選ぶことが、パフォーマンスや安定性に直結します
「どのタイミングで、どれだけ、どう読み書きするか?」──その判断力が、I/O設計力の真価です。