ハイパーパラメータ
公開日: 2025/06/02
ハイパーパラメータとは?機械学習モデルの性能を左右する設定値
はじめに
ハイパーパラメータは、機械学習モデルの学習過程や構造を制御する外部から設定するパラメータです。
これらの値によってモデルの性能や学習の安定性が大きく変わるため、適切な設定が重要です。
この記事ではハイパーパラメータの基本概念や代表的な種類、調整方法についてわかりやすく解説します。
基本情報・概要
ハイパーパラメータは、学習前にユーザーが設定し、モデルのトレーニング中には変更されないパラメータです。
モデルの重みやバイアスなど、学習によって自動的に決まるパラメータと区別されます。
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主なハイパーパラメータ例:
- 学習率(Learning Rate)
- エポック数(Epochs)
- バッチサイズ(Batch Size)
- 正則化パラメータ(例:L1、L2の強さ)
- 木の深さ(決定木系モデル)
- ドロップアウト率(ニューラルネットワーク)
用語 説明 学習率 パラメータ更新のステップサイズ エポック 全データを一巡する学習回数 バッチサイズ 一度に処理するデータの数 正則化強度 過学習防止のための罰則の強さ
深掘り解説
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学習率の重要性
大きすぎると学習が発散し、小さすぎると収束が遅くなるため適切な調整が必要。 -
バッチサイズの影響
小さいほどノイズが多くなるがメモリ負荷が軽減され、大きいほど安定するが計算コストが増える。 -
木の深さや分割基準
決定木系モデルでは深さや葉の数を制限し、過学習を防止。 -
ドロップアウト率
ニューラルネットワークの過学習を防ぐために無効化するノードの割合を設定。
ハイパーパラメータ調整方法
- グリッドサーチ:あらかじめ決めた範囲の組み合わせを総当たりで試す
- ランダムサーチ:ランダムに組み合わせを試すことで効率化
- ベイズ最適化:過去の結果を活用し、最適値を探索
- 交差検証と組み合わせて性能を評価
よくある誤解と注意点
- ハイパーパラメータは固定ではなく問題に応じて変わる
- 過度なチューニングは計算資源の浪費につながる場合もある
- 一つのパラメータだけでなく複数を同時に調整する必要があることが多い
まとめ
ハイパーパラメータは機械学習モデルの性能に大きな影響を与える重要な要素です。
適切な調整を通じてモデルの精度や学習効率を大幅に向上させることが可能です。
基礎知識を押さえ、効果的なチューニング方法を学ぶことが成功の鍵となります。