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正規化

公開日: 2025/06/02

正規化とは?データのスケールを統一する前処理技術

はじめに

正規化(Normalization)は、機械学習やデータ分析において特徴量の値を特定の範囲に収める処理です。
これにより異なる尺度の特徴量を同じ土俵で扱えるようになり、学習の安定化やモデル性能の向上につながります。
この記事では正規化の基本概念や代表的な手法、メリットをわかりやすく解説します。

基本情報・概要

正規化は、特徴量の値を0〜1などの固定された範囲に変換する手法が一般的です。
主に「Min-Maxスケーリング」がよく使われます。

  • Min-Maxスケーリングの計算式:
    [ x' = \frac{x - x_{min}}{x_{max} - x_{min}} ]

    • (x):元のデータ値
    • (x_{min}):特徴量の最小値
    • (x_{max}):特徴量の最大値
    • (x'):正規化後の値(0〜1の範囲)
用語説明
最小値データセット内の特徴量の最小の値
最大値データセット内の特徴量の最大の値
スケーリング値の範囲を変換して揃える処理

深掘り解説

  • 正規化の効果

    • 勾配降下法の収束を速める
    • 距離ベースのアルゴリズム(k-NN、SVMなど)での性能向上
    • 異なる尺度の特徴量による偏りを軽減
  • 正規化と標準化の違い

    • 正規化は値を一定範囲(例:0〜1)に変換
    • 標準化は平均0、分散1に変換する手法
  • 注意点

    • 外れ値の影響を受けやすい
    • テストデータには訓練データの最小値・最大値を使う必要がある

応用・発展的な使い方

  • 画像データの画素値のスケーリング
  • 音声データの振幅調整
  • 機械学習モデルの前処理全般
  • データの視覚化やクラスタリングの前段階処理

よくある誤解と注意点

  • 正規化はすべてのモデルで必須ではない
  • 外れ値を持つデータには別の手法が適する場合がある
  • 正規化後の値の解釈に注意が必要

まとめ

正規化はデータのスケールを揃える基本的な前処理手法であり、
多くの機械学習モデルの学習効率と性能向上に貢献します。
データの特性を理解し、適切な方法を選んで実施することが重要です。