F1スコア
公開日: 2025/06/02
F1スコアとは?精度と再現率のバランスを評価する指標
はじめに
F1スコアは、機械学習の分類問題において、適合率(Precision)と再現率(Recall)の調和平均を表す評価指標です。
単独の指標では把握しにくいバランスの良さを示し、不均衡データの評価にも適しています。
この記事ではF1スコアの定義や計算方法、活用シーンをわかりやすく解説します。
基本情報・概要
F1スコアは、適合率と再現率の調和平均として次の式で計算されます。
[ F1 = 2 \times \frac{Precision \times Recall}{Precision + Recall} ]
- 用語説明:
- 適合率(Precision):正と予測した中で実際に正しい割合
- 再現率(Recall):実際に正しい中で正しく予測できた割合
深掘り解説
-
調和平均の意味
一方の指標が極端に低い場合に、F1スコアも低くなり、両者のバランスを重視する。 -
F1スコアの範囲
0から1の範囲で、1に近いほど精度と再現率のバランスが良い。 -
用途
- クラス不均衡問題におけるモデル評価
- 精度と再現率のバランスを取りたい場合
- 医療診断や異常検知などの重要タスク
応用・発展的な使い方
- マルチクラス分類の平均F1スコア(マクロ平均、マイクロ平均)
- ハイパーパラメータ調整の指標として活用
- 精度と再現率のトレードオフの可視化や分析に利用
よくある誤解と注意点
- F1スコアが高くても全体の精度が高いとは限らない
- 精度や再現率の値も併せて確認することが重要
- タスクによっては重み付きF1スコアなどの派生指標が有効
まとめ
F1スコアは精度と再現率のバランスを評価する便利な指標であり、特にクラス不均衡問題で重宝されます。
複数の評価指標と組み合わせて使うことで、モデルの真の性能を正確に把握できます。
機械学習モデルの評価に欠かせない基本知識として理解しておきましょう。