Formatter
公開日: 2025/06/02
フォーマッタとは?──コードを自動整形して可読性と統一感を守るツール
はじめに
コードレビューで「インデントがズレてる」「空行が多すぎる」など、内容と関係ない指摘に時間を取られていませんか?
そんなときに頼れるのが「フォーマッタ(Formatter)」です。フォーマッタは、ソースコードを自動で整形し、見た目を統一するツール。本記事では、フォーマッタの役割、代表的なツール、Lintとの違い、チーム運用への組み込み方まで解説します。
基本情報・概要
フォーマッタとは、コードのインデント・改行・括弧の位置・空白などを自動で整えるツールです。動作には一切影響しないが、読みやすさや保守性を高めるために重要です。
主な目的:
- 見た目の統一
- スタイル指摘の削減
- レビュー効率の向上
- 手間をかけずにスタイルを自動化
※ 「動くコード」ではなく「読めるコード」を育てるための必須ツールです。
比較・分類・特徴の表形式まとめ(任意)
言語 | 代表的フォーマッタ | 特徴 |
---|---|---|
JavaScript/TS | Prettier | 意見の分かれるスタイルを機械的に統一 |
Python | Black | 「設定不要・1つの正しいフォーマット」思想 |
Go | gofmt | Go開発公式標準。自動フォーマット前提で設計 |
Rust | rustfmt | Rust公式。CIと連携した強制フォーマットが一般的 |
フォーマッタは、コードの「見た目」を人間ではなくツールに任せる文化を支えます。
深掘り解説
JavaScript/TypeScript における Prettier の例:
-
インストール:
npm install --save-dev prettier
-
設定ファイル
(例):.prettierrc
{ "semi": true, "singleQuote": true, "trailingComma": "es5" }
-
実行:
npx prettier --write "src/**/*.ts"
VS Code などのエディタと連携すれば、保存時に自動フォーマットすることも可能です。
Python では Black を使って:
pip install black black myfile.py
というように、**「フォーマットを意識せず書いて、後で一発整形」**するのが基本の使い方です。
応用・発展的な使い方
- Gitのpre-commit hookに組み込む:コミット前に自動整形(例:husky + lint-staged)
- CIでフォーマット違反を検出:GitHub Actionsで「フォーマット済み」を担保
- VS Codeで保存時整形を有効化:
をtrueにeditor.formatOnSave
- チーム用共有設定:
,.prettierrc
でルールを明示.editorconfig
フォーマッタは開発者の意見ではなく、機械がルールを決めることでトラブルを防ぎます。
よくある誤解と注意点(任意)
- Lintと混同する:Lintはエラー検出、フォーマッタは整形。役割は異なる
- 設定が多すぎると逆効果:できるだけ「チームで合意したルール」に絞るべき
- 人力で整形しない:手で整えるより、ツールに任せるほうが早くて正確
- コードレビューでスタイルを指摘しない:整形はフォーマッタ任せでOK
フォーマッタは「コーディングの余計な思考負荷を減らすツール」でもあります。
まとめ
フォーマッタは、コードの見た目を揃えることでチーム開発をスムーズにする不可欠なツールです。
コードの“意味”ではなく“形”に関しては、人ではなくツールに任せる時代。
Lintと併用し、CIやエディタと連携させることで、ストレスの少ない、心地よい開発環境を実現できます。
「保存すれば自動で整う」状態をつくることが、開発効率と安心感を最大化する第一歩です。