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BtoBtoCモデル

公開日: 2025/06/11

BtoBtoCモデル

はじめに

現代のビジネス構造では、「自社からエンドユーザーへ直接提供する」のではなく、パートナー企業を介して最終顧客に価値を届けるスタイルが一般的になっています。この構造が「BtoBtoC(Business to Business to Consumer)モデル」です。本記事では、BtoBtoCモデルの定義、BtoBやBtoCとの違い、代表例、活用時のポイントを解説します。

基本情報・概要

BtoBtoCモデルとは、自社(B)が他の企業(B)と提携し、その企業を通じて最終消費者(C)に製品・サービスを提供する構造です。

特徴:

  • 直接のエンドユーザー接点は他社(中間B)が担う
  • 自社はプラットフォームやインフラ、データ、製品を供給
  • BtoBとBtoC両方の戦略を設計する必要がある

「後方で支える」ビジネスモデルとも言え、スケーラビリティや展開力に優れる一方、顧客接点が遠くなる課題もあります。

比較・分類・特徴の表形式まとめ

モデルタイプ対象顧客特徴代表例
BtoC消費者自社が直接Cに販売無印良品、Netflix
BtoB法人企業向けに販売/提供Salesforce、Sansan
BtoBtoC企業+消費者自社→企業→消費者の三層構造楽天市場(店舗→顧客)、LINEミニアプリ

BtoBtoCは、エンドユーザーにリーチしながらも、自社は“黒子”として価値提供するポジションです。

深掘り解説

1. なぜBtoBtoCが注目されるのか?

  • 顧客接点を持たずにユーザー基盤を広げられる
  • 提携先の販売網・信頼・ブランドを活用できる
  • スケール性が高く、多業種展開しやすい

また、**ユーザー側から見れば“一体化したサービス体験”**を提供できる点もメリットです。

2. モデル構造の例(3者の役割)

役割プレイヤー例主な役割
自社(B)決済API事業者、SaaS提供企業技術やインフラ、データ基盤を構築・提供
中間企業(B)小売業者、地域金融機関顧客との接点、マーケティング、ブランド
消費者(C)一般ユーザー、利用者実際にサービスを利用、購買を行う

自社はエンドユーザーとの**「距離感を乗り越えるUX設計」が重要**になります。

3. BtoBtoCモデルの種類と応用例

  • テクノロジー提供型:SaaS、API、PaaSを提供し、顧客企業がサービスを構築
    • 例:Stripe(決済)+Shopify(店舗)→購買ユーザー
  • OEM・ホワイトラベル型:ブランドは中間企業名、自社は中身を支える
    • 例:チャットボット技術提供→企業名義で公開される
  • アグリゲーション型:複数の中小Bに向けた共通基盤を提供
    • 例:楽天市場、ぐるなび、出前館

BtoBtoCは“見えないが確実に存在するブランド価値”の創造とも言えます。

応用・発展的な使い方

  • パートナー企業とデータ連携したCRM強化
  • APIエコノミー連携によるUXの統合
  • SaaS×OEMでのBtoBtoC立ち上げ(例:教育プラットフォーム×学校法人)

「裏方」だからこそ、強固で再現性のあるモデル設計が求められます。

よくある誤解と注意点

  • 「自社が顧客を知らなくても問題ない」→ ユーザー行動の把握は必須
  • 中間Bとの関係性が希薄だとパフォーマンスに直結
  • 誰が“顧客責任”を持つのかが曖昧になるとCSやサポートが混乱

まとめ

BtoBtoCモデルは、企業の資産や仕組みを活かして、他社経由でユーザーへ価値を届ける戦略的構造です。拡張性と柔軟性に優れる一方、エンドユーザーとの距離やブランド管理の難しさもあります。重要なのは、「自社が何を提供し、誰が顧客接点を担い、どのように最終顧客価値が最大化されるか」を全体最適で設計することです。