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ブロックモデル

公開日: 2025/06/12

ブロックモデル(Block Model)

はじめに

現代のビジネスでは、複雑な製品・サービス体系を“モジュール化”し、再利用性・拡張性・スケーラビリティを確保する設計思想が求められています。そうした構造化アプローチの1つが「ブロックモデル(Block Model)」です。本記事ではその定義、特徴、用途、代表的な活用例、設計のポイントを解説します。

基本情報・概要

ブロックモデルとは、ビジネスやシステムを機能単位の“ブロック”として設計・管理し、それらを組み合わせて全体を構築するフレームワーク的思考法です。

特徴:

  • 各ブロックは独立性と再利用性を持ち、必要に応じて組み替え可能
  • 「フロント(UI)」と「バック(ロジック)」の分離設計に強い
  • ビジネス構造、UX設計、技術アーキテクチャにまで応用可能

**“積み木のように構築できる柔軟なモデル”**と捉えるとイメージしやすいです。

ブロックモデルの分類と設計単位(表)

ブロック種別内容/用途例主な活用領域
UIブロック入力フォーム、商品カード、プロフィール編集UIなどWebアプリ、SaaS、モバイルUI
機能ロジックブロック認証処理、在庫計算、スコア算出などバックエンド、API設計
ビジネスブロック見積管理、契約更新、請求処理などSaaS、ERP、BtoBプロダクト
コンテンツブロック記事、FAQ、製品紹介モジュールCMS、メディアサイト、EC
データ連携ブロック外部API接続、Webhook送信、CSVインポート処理などマーケ連携、販売管理システム

ブロックの明確化により**「再利用・メンテ性・スケール性」が向上**します。

深掘り解説

1. なぜブロックモデルが有効なのか?

  • 変更・拡張が容易な構造が実現できる
  • 複数プロダクト間で共通ブロックを再利用可能
  • 非エンジニアでも設計理解しやすいUI/UX設計
  • 事業・サービスの“部品化”によって成長が加速

特にスタートアップやプロダクト開発初期では、柔軟性と仮説検証速度を両立できるメリットがあります。

2. ブロックモデルの導入ステップ

ステップ内容例
機能の棚卸し画面・機能・処理・データ連携などの一覧を構造化
モジュール化再利用・単位化しやすいブロックへ機能を分解
命名と定義統一ブロック名/仕様の命名ルールを共通化
組み合わせ設計ブロック同士のインターフェース(入出力)を整理
ドキュメント化図解・定義シート・ナレッジ共有により開発チーム内で共通化

「どこまでを1ブロックとするか」が設計の肝です。

応用・発展的な使い方

  • ノーコード/ローコード開発における部品設計
  • マイクロサービスとフロント設計の橋渡し
  • デザインシステム × UIブロックによるブランド一貫性確保
  • マーケ/営業フローの業務プロセスブロック化

ビジネスモデル設計とシステム設計の両輪で機能します。

よくある誤解と注意点

  • 「ブロック化すれば速くなる」は誤解 → 粒度や共通化方針を誤ると逆効果
  • 再利用ばかり追うと各所で“少しだけ違う”ブロックが乱立する
  • 運用フェーズでブロック間の依存性・テスト難易度が上がる場合がある

まとめ

ブロックモデルは、製品・業務・UXを再利用可能な「構成部品」に分解し、柔軟に組み替えるための設計思想です。変化の早い環境に対応しながら、品質とスピードを両立するための基盤となります。まずは既存機能をブロック単位で棚卸し・整理し、再利用・分業・展開に強い構造へと進化させていきましょう。