クロスバリデーション
公開日: 2025/06/02
クロスバリデーションとは?機械学習モデルの評価精度を高める手法
はじめに
クロスバリデーション(Cross-Validation)は、機械学習モデルの汎化性能を正確に評価するための手法です。
データを複数の分割に分けて繰り返し学習・評価を行うことで、過学習やデータの偏りの影響を抑制します。
この記事ではクロスバリデーションの基本概念や代表的な手法、メリットをわかりやすく解説します。
基本情報・概要
クロスバリデーションは、データセットを複数の「フォールド(fold)」に分割し、
それぞれを検証用データとして順番に使いながらモデルを訓練・評価します。
代表的な手法にk分割クロスバリデーションがあります。
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主な手法:
- k分割クロスバリデーション(k-fold CV)
- 留一法クロスバリデーション(Leave-One-Out CV)
- 層化k分割クロスバリデーション(Stratified k-fold)
用語 説明 フォールド データを分割した部分集合 k分割 データをk個の等しいサイズに分割する方法 層化 クラスの分布を維持して分割する技術
深掘り解説
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k分割クロスバリデーションの流れ
- データをk個のフォールドに分割
- k回の学習と評価を実施(各回で異なるフォールドを検証データに)
- 評価指標の平均をとって性能を判断
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留一法クロスバリデーション
データが非常に少ない場合に用いられ、一つずつデータを検証に使う。 -
層化k分割
分類問題でクラスの割合を保ったまま分割することで、偏りの少ない評価が可能。
応用・発展的な使い方
- ハイパーパラメータチューニング時の評価
- モデル選択の客観的基準として利用
- データの偏りや過学習の検出
- 多クラスや不均衡データセットへの対応
よくある誤解と注意点
- クロスバリデーションは学習データのみで行うべき
- kの値は一般的に5や10がよく使われるが、データ量や計算コストで調整
- 過度な分割は計算時間の増加を招く
まとめ
クロスバリデーションは機械学習モデルの性能を安定的に評価するための基本的かつ強力な手法です。
適切な分割方法を選び、評価指標と組み合わせることで、より信頼性の高いモデル構築が可能になります。
モデル開発の必須知識として押さえておきたい技術です。