クラスタリング
公開日: 2025/06/02
クラスタリングとは?データをグループ分けする教師なし学習手法
はじめに
クラスタリングは、データを似た特徴ごとにグループ化する教師なし学習の代表的な手法です。
ラベルのないデータからパターンや構造を発見し、マーケティングや異常検知など多様な分野で活用されています。
この記事ではクラスタリングの基本概念や代表的アルゴリズム、応用例をわかりやすく解説します。
基本情報・概要
クラスタリング(Clustering)は、データ間の類似性に基づいてグループ(クラスタ)を作る技術です。
あらかじめラベルが付いていないデータを分類・分析する際に使われます。
-
主なアルゴリズム:
- k-means法:中心点を定めて割り当てるシンプルで高速な手法
- 階層的クラスタリング:データを階層構造で分割または結合
- DBSCAN:密度ベースでノイズに強いクラスタリング
- Gaussian Mixture Model(GMM):確率モデルを用いた柔軟なクラスタリング
アルゴリズム 特徴 k-means クラスタ数を指定し、重心を更新しながら分類 階層的クラスタリング デンドログラムで階層構造を可視化可能 DBSCAN 密度の高い領域をクラスタとし、ノイズを除去 GMM 各クラスタを確率分布としてモデル化
深掘り解説
-
k-means法の流れ
- クラスタ数kを決める
- ランダムにk個の中心を初期化
- 各データを最も近い中心に割り当てる
- 各クラスタの中心を再計算
- 収束まで3〜4を繰り返す
-
階層的クラスタリングの特徴
全データを最初は個別のクラスタとし、近いもの同士を順に結合(凝集型)、または全データを一つのクラスタとし分割(分割型)する。 -
DBSCANの利点
ノイズやアウトライアを除外し、形状の異なるクラスタも検出可能。
応用・発展的な使い方
- 顧客セグメンテーション(マーケティング)
- 異常検知や故障予知
- 画像のセグメンテーション
- 文書のトピック分類
- 地理情報システム(GIS)での地域分割
よくある誤解と注意点
-
クラスタ数は自動では決まらないことが多い
適切なクラスタ数の決定にはシルエット分析などの評価指標が必要。 -
距離尺度の選び方が結果に大きく影響する
データの特性に合わせてユークリッド距離やコサイン類似度などを選択。 -
クラスタリングは「正解」がないため解釈に注意
まとめ
クラスタリングはラベルなしデータのパターン発見に強力な手法であり、様々な分野で活用されています。
アルゴリズムの特徴を理解し、適切に選択・評価することで有意義な分析結果を得られます。
データ理解と活用の第一歩として習得したい技術です。