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ポリシー勾配

公開日: 2025/06/02

ポリシー勾配とは?強化学習における直接的な方策最適化手法

はじめに

ポリシー勾配(Policy Gradient)は、強化学習でエージェントの行動方策(ポリシー)を直接最適化する手法の一つです。
状態から行動を選択する確率分布をパラメータ化し、報酬を最大化するように勾配上昇法で学習します。
この記事ではポリシー勾配の基本原理や特徴、代表的なアルゴリズムをわかりやすく解説します。

基本情報・概要

ポリシー勾配は、価値関数を介さずに方策そのものを最適化するアプローチで、
連続行動空間や大規模な状態空間にも対応しやすいのが特徴です。

  • 主な特徴:

    • 方策を確率分布で表現し直接最適化
    • 勾配上昇法を用いて報酬を最大化
    • オフポリシー手法より安定性が高い場合もある
    用語説明
    方策(ポリシー)状態から行動を選択する確率分布
    勾配上昇法報酬を最大化する方向にパラメータを更新する手法
    REINFORCE基本的なポリシー勾配アルゴリズム

深掘り解説

  • ポリシー勾配の更新式(REINFORCE)
    [ \nabla_\theta J(\theta) = \mathbb{E}\pi \left[ \nabla\theta \log \pi_\theta(a|s) \cdot G_t \right] ]

    • (\theta): ポリシーパラメータ
    • (\pi_\theta(a|s)): 状態(s)での行動(a)の確率
    • (G_t): その時点からの累積報酬
  • バリエーション

    • アクター・クリティック法(Actor-Critic):価値関数を併用し勾配の分散を低減
    • PPO、TRPOなどの安定化手法
  • 利点

    • 連続行動空間に適応しやすい
    • 方策の確率的性質を活かした多様な行動選択が可能

応用・発展的な使い方

  • ロボット制御
  • 自然言語生成
  • ゲームAI(複雑な連続制御タスク)
  • 自動運転の行動決定

よくある誤解と注意点

  • ポリシー勾配はサンプル効率が低い場合がある
  • 高い分散を持つため勾配のばらつきに注意
  • 適切な報酬設計とハイパーパラメータ調整が重要

まとめ

ポリシー勾配は強化学習における直接的な方策最適化手法であり、
連続行動や大規模問題に強みを持ちます。
基礎的な仕組みと代表的なアルゴリズムを理解し、実践的な応用を目指しましょう。