営業利益
公開日: 2025/10/24
営業利益とは?企業の本業による収益力を示す重要指標
はじめに
企業の財務状況を評価する上で、営業利益は非常に重要な指標です。投資家や経営者、アナリストたちが企業の収益性や競争力を判断する際に、最も注目する数値の一つです。本記事では、営業利益の定義から計算方法、そして企業経営における意義まで、詳しく解説していきます。
基本情報・概要
営業利益とは、企業の本業による利益を表す指標です。売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を差し引いて算出されます。この数値は、企業の主要な事業活動がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示すため、経営の健全性や収益力を評価する上で重要な役割を果たします。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算式 | 売上高 - (売上原価 + 販売費及び一般管理費) |
| 位置づけ | 損益計算書の中間利益 |
| 主な用途 | 本業の収益力評価、他社比較、経営効率の分析 |
| 関連指標 | 売上高営業利益率、EBITDA、経常利益 |
営業利益は、企業の中核事業の収益性を純粋に反映するため、企業間比較や経年分析に適しています。
深掘り解説
営業利益の計算過程を詳しく見ていきましょう:
- 売上高:企業の主要な事業活動による収入の総額
- 売上原価:商品やサービスの提供に直接関わるコスト
- 販売費及び一般管理費:営業活動に関連する間接的な費用(人件費、広告宣伝費など)
これらの要素から、以下のように営業利益が算出されます:
売上高 100,000,000円 - 売上原価 60,000,000円 - 販売費及び一般管理費 30,000,000円 = 営業利益 10,000,000円
この例では、売上高の10%が営業利益となっています。この数値が高いほど、企業の本業における収益力が高いと評価されます。
応用・発展的な使い方
営業利益は単独で見るだけでなく、他の指標と組み合わせることでより深い分析が可能です:
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売上高営業利益率:営業利益 ÷ 売上高 業種や規模の異なる企業間での収益性比較に有効
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EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益):営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額 企業の実質的なキャッシュ創出力を評価
また、セグメント別の営業利益を分析することで、企業内の各事業部門の収益性を評価し、経営資源の最適配分に活用できます。
よくある誤解と注意点
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営業利益と経常利益の混同: 営業利益は本業の利益のみを対象としますが、経常利益には営業外収益・費用も含まれます。
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一時的要因の影響: 大規模な設備投資や構造改革などにより、一時的に営業利益が低下することがあります。複数年のトレンドを見る必要があります。
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業種による差異: 製造業と小売業では一般的に営業利益率が大きく異なります。業界平均と比較して評価することが重要です。
まとめ
営業利益は企業の本業における収益力を端的に示す重要指標です。売上高から直接・間接のコストを差し引いて算出され、企業の経営効率や競争力を評価する上で欠かせません。他の財務指標と組み合わせて分析することで、より深い洞察が得られます。投資判断や経営戦略の立案において、営業利益の動向を注視することが重要です。