決算書
公開日: 2025/10/24
決算書とは?企業の財務状況を把握する重要ツール
はじめに
企業の経営状態を数字で表す決算書は、投資家や取引先、従業員など、様々なステークホルダーにとって重要な情報源です。本記事では、決算書の基本から読み方のポイント、活用方法まで詳しく解説します。
基本情報・概要
決算書とは、一定期間の企業活動の結果を財務的に表した報告書です。主に貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つから構成され、企業の財政状態、経営成績、資金の流れを示します。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
これらの財務諸表は相互に関連しており、総合的に分析することで企業の全体像を把握できます。
深掘り解説
1. 貸借対照表(B/S)
貸借対照表は、企業の財政状態を表す財務諸表です。左側(借方)に資産、右側(貸方)に負債と純資産を記載し、両者の合計が一致します。
[資産](/articles/assets) = [負債](/articles/debt) + [純資産](/articles/net-assets)
主な項目:
2. 損益計算書(P/L)
損益計算書は、一定期間の企業の経営成績を表す財務諸表です。
売上高 - 売上原価 = [売上総利益](/articles/total-sales-profit) [売上総利益](/articles/total-sales-profit) - 販売費及び一般管理費 = [営業利益](/articles/operating-profit) [営業利益](/articles/operating-profit) + 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 = 税引前[当期純利益](/articles/net-profit-for-the-period) 税引前[当期純利益](/articles/net-profit-for-the-period) - [法人税](/articles/corporate-tax)等 = [当期純利益](/articles/net-profit-for-the-period)
3. キャッシュフロー計算書(C/F)
キャッシュフロー計算書は、現金の流れを示す財務諸表です。以下の3区分で構成されます:
応用・発展的な使い方
- 財務分析:各種財務指標(ROE、自己資本比率など)を算出し、企業の収益性や安全性を評価
- 同業他社比較:同じ業界の他社と財務指標を比較し、相対的な強みや弱みを分析
- トレンド分析:過去数年分の決算書を比較し、成長性や安定性を評価
- 投資判断:株式投資や融資の判断材料として活用
- 経営戦略立案:財務状況を踏まえた中長期的な経営計画の策定
よくある誤解と注意点
- 単年度のみの分析:一時的な要因による変動を見誤る可能性があるため、複数年度の比較が重要
- 会計処理の違い:企業間で採用している会計基準や処理方法が異なる場合があり、単純比較は適切でない
- 非財務情報の軽視:決算書だけでなく、事業環境や経営者の資質など非財務情報も考慮すべき
- キャッシュフローの無視:利益が出ていても、キャッシュフローが悪化している場合もあり注意が必要
まとめ
決算書は企業の財務状況を知る上で不可欠なツールです。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つの財務諸表を相互に関連付けて分析することで、企業の全体像を把握できます。ただし、会計処理の違いや非財務情報の重要性にも留意し、総合的な判断が求められます。決算書の読み方を習得することで、投資判断や経営分析のスキルを向上させることができるでしょう。