1on1ミーティングの活用術
公開日: 2025/06/10
1on1ミーティングの活用術
はじめに
1on1ミーティングは、上司と部下、マネージャーとメンバーが定期的に対話を行う場です。業務進捗だけでなく、成長支援や感情面のフォロー、信頼関係の構築に欠かせない手段として注目されています。ただし、うまく活用できないと「雑談で終わる」「報告会になってしまう」といった形骸化のリスクもあります。本記事では、1on1ミーティングを効果的に活用する方法を解説します。
基本情報・概要
1on1は単なる報告の場ではなく、信頼・成長・支援の3軸を深める時間です。
- メンバーの課題や思考の解像度を高める
- マネージャーが支援者・伴走者として関わる
- 継続的なキャリアと目標の棚卸しを行う
“話すことがない”状態を避けるためには、目的と設計の明確化が不可欠です。
比較・分類・特徴の表形式まとめ
活用スタイル | 特徴 | 効果 |
---|---|---|
進捗報告型 | 業務状況の確認と優先順位の調整 | 即時課題の発見、仕事の詰まりを解消 |
成長支援型 | フィードバック・スキル開発・学びの整理 | 中長期の育成、エンゲージメント向上 |
感情フォロー型 | 感情やコンディション、働き方の満足度を対話 | モチベーション管理、離職防止 |
キャリア支援型 | 強み・志向・キャリアプランの言語化 | 未来志向の目標形成、信頼関係の深化 |
毎回すべてを話す必要はありません。テーマを分けて継続的に深めていくことが鍵です。
深掘り解説
1. 準備と設計
- 実施頻度は週1〜月1で継続性を持たせる
- アジェンダは共有メモ(Google Docs/Notion等)に事前記入
- 会話を“業務”に限定せず、「調子どう?」「最近気になってることある?」などから始める
**1on1は“予定調整”ではなく“関係構築の儀式”**として継続することが重要です。
2. 話すべきテーマ例
- 業務の中で困っていること、改善アイデア
- 成果と課題のふりかえり
- 仕事の楽しさ・不満・モヤモヤ
- チームに対する気づき
- キャリアへの興味・目標
無理に引き出そうとせず、「気になったことがあれば話してもらえればOK」くらいの空気づくりが大切です。
3. 効果的なフィードバックの出し方
- 「観察した事実」+「影響」+「提案」の3点セットで伝える
例:「最近の会議で、積極的に質問してくれているよね。それが全体の議論の深まりにつながってる。次はファシリテーター役にも挑戦してみない?」 - ネガティブよりポジティブを先に
- フィードバックは“評価”ではなく“支援”として行う
面談は「言う場」ではなく「聞く場」として設計することで信頼が深まります。
応用・発展的な使い方
- 毎回、メンバーに“逆フィードバック”(マネージャーへの要望)をお願いする
- Tryの進捗を振り返る「KPTふりかえり1on1」
- キャリアビジョン作成やライフプラン相談を取り入れる
特にリモートワーク下では、意図的な対話が心理的安全性を支える鍵になります。
よくある誤解と注意点
- 「毎回仕事の話だけすればいい」は誤解。人と人の対話が重要
- 「話が出ない=課題がない」と決めつけず、信頼構築を優先する
- 上司が主導しすぎるとメンバーは受け身になる → 聴き役・伴走役に徹する姿勢を
まとめ
1on1ミーティングは、信頼関係を育て、メンバーの成長とチームの健全性を支える仕組みです。ポイントは、継続・傾聴・目的の共有。まずは、週1回15分の“話せる時間”を確保するところから始めてみましょう。それがチームの変化を生み出す第一歩になります。